ウェブページが出来上がるまでの昂揚には,なんともいえないものがある.新しいページが見られると思うとわくわくする.それを自分で作り出せるわけだから,いくつ作ってもわくわくできる.生涯に1万ページ作ると目標にしていて,その2割くらいは達成したようだが,ウェブにはまだ見られていないページがいつでもアクセスできるように待っていて,読み切れないくらい多く,追いきれないほど新しく作られている.
ウェブコンテンツが産業として優れているのは,物質を持たない点である.軽工業や重工業その他の製造業は,物質を売買するので,大量生産するようになると地球環境を左右してきた.小売店へ輸送するにも,長距離走行のための燃料が必要だった.ところが,ウェブコンテンツは公開したとたん瞬時に誰でもアクセス可能となり,アクセスすると瞬時にページが読める.エネルギーの移動もほとんどない.
ウェブ産業で働く人が増えてほしいと思う.誰でもウェブサイトが持てて,知的成果物を公開するようになれば,新しいつながりが増えて生活が楽しくなるはず.神経はつながるために死んでいくので,つながることは神経の最高の快楽である.新たな接続は新たな発見を,大きな熱鬧は大きな坩堝をもたらし続ける.神経の若さは枝分かれの多さでもあり,神経の老成は反応の頻度でもある.
小学生の時初めてつながったウェブのわくわく,高校生の時初めて作ったウェブのわくわく,大学生の時初めてコメントされたウェブのわくわくは,忘れがたい.ウェブエンジニアとして迷いが生じたとしても,これらのわくわくを思うとウェブ開発を仕事にできていることになんともいえない幸福を感じる.そうしてきょうもウェブページを更新するまでの昂揚は,いくつになっても相変わらずである.
