本を買うことには,歓びがある.自分の活動で稼いだお金で本を買って読むとはなんともいえぬ娯楽である.本をよく読む目的は本の内容を自分に近づけ,複写し,整理した形で書くことである.本のなかにある好きな考えを自分に装入し,記憶が続くうち,その考えを持てる時間を楽しむ.考えは人を楽しませる.考えることが楽しいぶん,考えさせることはその倍楽しい.
数学事典に加え,2級ウェブデザイン技能士の参考書,MCSA Office365の参考書2冊の4冊が立て続けに届いた.送料無料で早く着き,しかもポイントが付くとはなんという書店だろうか.本に囲まれた部屋にいると,文字を読みたくなり,文字に囲まれた部屋で文字に浸かっていると,次々と文字が浮かび,幸せな気持ちになる.浮かんだ文字をたたき残しておき,翌日まで覚えているようにすると,歩いているときに思い出すと最高に快い.
子どもの時に文字をたくさん学んでおいてよかったと思う.勉強ができない子供は本を読めば勉強なんぞ簡単にできるようになるが,親に本を読めといわれると,違う理由で勉強をしなくなる.もしここで終わってしまう人が大人にいるなら,もったいない.貧困に陥った時,助けと慰めになるのはことばのはず.
本とは単なる文字の集合だ.ところが文字は考えを持たせ,行動を変化させる.不思議である.きょうは年老いた人は長く生きているので重力が若者より大きく,それゆえ熟睡する時間が短い,という命題を証明しようと考えていた.栄養をとってすぐに消化してしまうなら,重力が急に減少するので眠くなることも,付随的に証明できた.意識は光と重力の合力なのだろう.こうしてみても,本を買うことは喜びである.
