今は女性の社会進出が進み,女性は家事も育児も大変だねと声を掛ける男性.女性には生き方のモデルケースがないといわれる.しかし,男性だって今を生きる規範はない.親の介護に低賃金労働,そもそもの技術家庭科/生活科のゆとり教育,ややもすればハラスメントゆえの沈黙社会,ストレスを息抜きするネット社会.実は女性の社会進出は1世紀以上前から起きている.
起床就寝時刻や居住高度や第一次産業は地球の気象環境なので変えにくい.けれども,夫婦制も国境も地価も,つまり家族も貿易も住居も,人間が昔に決めた制度が今も動いているから変えにくい.この2つの変えにくさ.理系でも文系でも変えにくさを経験する.そこで,変えていける知を生み出す「管流学」を提唱してみたいと思う.
管流とは流れを管理するの意.万物は流れることをやめないが,流れを人間は管理しきれていない.渋滞を活用すれば反応が起き,抑制すると整流が起きるけれども,渋滞は道路の車列のほかにも起きている.資本,血管,仕事,物流,電波,情報.実はあらゆる「概念」が流れているので渋滞しうる.万物は流れる.その流れを管理する知恵を人類は必要とする.
何かが変化を止めているとき,そこに渋滞は見出せる.なぜ渋滞しているか,どうやって変化を始めるか,どのように影響していくか,変化しないべき状況だったのか.変化しないところ,情報は隠れている.不変のものなどないのはなぜかといえば,波長も運動量もゼロにならないからだ.時間もエネルギーも変わり続け,運動に停止はない.管流学の基礎がここに置ける.
