子どものようであることは難しいといわれる.大人になると子どもであることを忘れてしまう.大人であることとはどんなことか.言動や立場に責任を持ったり,個人や集団の利益を考えたり,チームを管理したりすることだろう.しかしどういうわけか子どもらしさを失いやすい.絵を描く,なんでも質問する,走り回る.そんな大人は結構少数派であるが,社会の一隅を支えているのはそんな子どものように生きる大人である.
仕事でアニメーションを制作することに決まった.線画を使って描き出すような動きをつけ,6つのシーンごとにテーマカラーを設定.簡単で軽量で良いとされる.イメージを固める際に子どもの頃を思い出していた.その頃に鉛筆で絵を写したり写生したり,そういった経験があるから今でもできるのだなと.夏休みが来ると今でも自由研究や読書感想文や科学工作を毎年行っている.子どもの頃の習慣である.
子どもじみた大人では相応しくない.けれど,子どものようである大人,子どもの心を持つ大人であれば,むしろ賢者である.聖書にも光の子であれと書かれているように,大人であっても地塩世光の道を歩んでいれば,自然と素直な子どものように生きることになる.それは良い人生だ.疲れを知らない大人だってたくさんいる.神さまに毎日新たにされ,倦んだり飽きたり疲れ果てて倒れることなど起こらない.
Boys, be ambitious. この言葉は少年だけに向けた言葉ではない.むしろ大人に語っている.少年のように生きることは難しいかもしれない.でも,少年だった頃を思い出して動くことはできると思う.私の少年時代は実に幸福なものだった.当時の自分では考えられないほど今の自分は変わってしまった.成長してしまった.ここでもう一度少年時代の自分を振り返ることは,初心を取り戻すことだ.そんな秋にしたい.
