消費生活に変化が訪れている.大好きな本と服を買わなくなった.なぜかといえば,今あるもので満足してしまったからだ.学生時代から今まで,本を500冊以上は買ってきた.服も300着は買ったのではないか.それが,今ではもう買うことがなくなった.お金を出し惜しみしているのではない.買えるだけのお金はむしろ昔の何倍もある.それでも,新しく買うことがほとんどなくなってしまった.
きっかけは,株主優待と自炊代行である.アローズとパルの株を保有していたので,株主優待券を6枚ずつもらった.通常商品のみ15%オフという流石に商売上手なやり口.これでまずセール品やアウトレットを買わなくなった.そして通常商品にしても,いいものは早く売れるというアパレルの法則に従い,新作を早めに見に行き,数点を株主優待券で購入した.その商品が,すごく良いのだ.
良いものを買うと満足して買わなくなる.買い方が変化する.1年で10着以上買っていたのは安物を買っていた昔の話,今や1年に2〜3点で満足するペースで,本当にいいものを少なく買ってワードローブに加え,買った服を中心に考えヘビーに着回す.服もモノなので当然壊れるが,いいものは5〜6年はもつ.いいものだけ買うのはお得な買い物ではないかもしれないが,より満足できる買い物だと思う.
本も買い揃えた印象が強く,今読む本は10冊くらいである.こちらは好きな本ばかり.本の背表紙を並べて眺める幸福を感じていたが,10冊くらいに絞ったほうが本を手に取りやすく,多くの脳内メモリを使わずにすむ.服と本に共通する問題は,もっと減らそうと考えてしまうこと.でもお気に入りの本と服を揃えている状態を楽しめれば解決する問題でもある.少し持ちすぎている今くらいがちょうど良いと思うことだ.
