世の中には楽しめることがたくさんある.どれをやるかは自由であり,何に時間や労力を費やすかも自由だ.その上で,投資に時間と労力を費やす価値があるのか考えてみたい.今のうちから行動すれば,数十年後には大きく増えている,これは確かさの高い事実だろう.希望も含んでいる.しかし,投資すなわちお金のために人生の時間を犠牲にする価値が本当にあるのか.投資に時間を費やすのは賢いことなのか.
労働を増やし,名前を売り,多く稼ぐことは,誰でもできる機会だ.もし貧しさに困窮している人がいたら,それは最良の処方になるだろう.自信が得られるし,次第に余裕も出てくる.人生の基盤を構築できていない時には,資産を増やすことはひとつの良い方法になるだろう.しかし,ある程度基礎ができて人生をより豊かに過ごせる環境ができたとき,投資を娯楽として楽しむことは良い趣味なのかという問題だ.
私は今以上に稼ごうと思えない.使い道がないから.私は欲しい物がないので投資しているに過ぎない.突然欲しい物が現れたときに考えて買えるほどの資金も常に持っている.投資に回す分は給与で余ったお金だ.お金が増えるほど簡単に増やせるので,お金の価値が低くなる.100万円持っている人の1万円と,1,000万円持っている人の1万円は,重さがだいぶ違う.どちらで生きたいかという問題でもある.
多く持つことが正義では必ずしもない.そう思う.暮らしが楽になり,資産を人のために使えるようになれたら,資産を増やす意味もあるだろう.もし欲望を際限なく広げたいなら,資産など持たない方が良いだろう.資産を持つ目的が確立できたら資産を持っていられる.今の私は資産をそれほど持っていないが,使う目的は確かでないので,そう多く持つべきではないと思うが,投資している.この人間的矛盾.
