学生時代に親しんだ本が明日実家から届く.年始に部屋を整理しに帰省するが,その前段階として父に段ボール2箱で手配してもらった.ほとんどの本はタイトルを覚えている.その中でも印象的な本を今回送ってもらえるので楽しみが増す.学生時代に抱いた興味関心を満たすまで学問できたわけではなかったから,これからの長い人生で再び楽しみたいと思ったわけだ.それらの本について紹介したい.
1.パタヘネ
コンピュータの構成と設計という本.隣の学部の教科書だったので書籍部で買って独学した.誕生からの歴史やアセンブリ言語の組み方からIC回路設計手法まで専門的な内容が包括的に載っていて,かつ敷居が高くない本.コンピュータについてもっと深く基礎的なところから知りたいという思いを叶えられる.もう一度読み直したい本といえばまず浮かぶのがこの本.コンピュータそのものに今も興味がある.
2.マッキー生化学
生命の神妙さを感じられる分厚い教科書.福岡伸一氏らが訳している.テキストと図を読み進めると,神が創りたもうた生命とやらがいかに精緻にできているかが良くわかる構成.しかも,医学や栄養学やそのほか生命を扱う隣接領域の基本となる知識が網羅でき,専門家の話が良くわかるようになれる.栄養も運動も睡眠についてYouTubeだけで詳しくなれたのも,この本を完読したおかげ.もう一度読みたい.
3.スマリヤン
論理パズルで有名になったスマリヤンの本のうち,ゲーデルの不完全性定理の本を持っている.正直最後まで理解して読めていないゆえ,もう一度読んで自分の頭脳を試してみたい.高校3年の秋に神田の書店で買った本なのでだいぶ傷んでいるかと思うけど,内容は古びない性質だから関係ない.職業柄,論理にはだいぶ強くなったと思うけど,この不完全性定理を理解できない程度では自分に満足できない.
4.ボーム
隠れた変数理論で有名な物理学者の,全体性と内蔵秩序という本.流態のこころみと題された章があり,そこをもう一度読みたい.というのも,今の私の言語観を育てた最も強い理論がこれだからだ.外国語の単語に興味を持ち,20ヶ国語の辞書を持っている動機が,この「試み」の実践と展開にあるのだ.まさに自分の核となる趣味を形成した本であり,影響を受けたので,傍線を引いたところを再確認したい.
5.C言語入門
プログラミング言語に関心を持てたのは,大学1年の時のプログラミング演習の授業の教科書が肌に合わなかったからだ.その代わり,この本で勉強し,授業外での勉強の方が面白いと感じ,大学図書館で数理の本を終日読む学生生活が始まった.そのきっかけがこの本だ.磁石のCのようなイラストが表紙の有名な本で,厚すぎないし難しすぎないちょうど良さがある.初心に戻れる本.もう一度読みたい.
