今の私の暮らしは,10代の私から考えたら天国のようなものだ.望むものが考えうる限り全てあり,満足している.必要なものや欲しいものは惜しむことなく買うこともできる.その分,ありがたみや欲求みたいなものは薄くなるか消えてしまって,10代らしい新鮮な感情の群れは私の中を訪れることがない.それだけ平穏で安心できる環境で暮らしているのだから感謝であり,若い時の希望が叶ったことも幸運でありがたい.
将来こうなりたい,こういう暮らしがしたい,と10代は皆がそれぞれ願うものだとして,それが叶わない人ってどれくらいいるのだろう.あまりいないんじゃないかと思う.叶う早さは人それぞれだろうけど,遅かれ早かれ人は皆自分が望むものを手に入れ,自分がしたいように生きることができるのだと思う.人間誰でも自分が望むようにしかならないと思うし,望むようにしか努力しないから,そうなっていくのが自然だ.
自殺する人とか犯罪する人は,若気の至りで失敗して取り返しがつかない人生になるのだろうけど,そういう絶望って多分一時的な感情で,長い目で見れば人は誰でも望みを叶えていけると思う.そうであってほしいと願う人も多いから,力になってくれる人は街中にも身近にも多くいると思う.望みが絶たれたと思ってもそれは一時的な逆境に過ぎないから,もし本当に生きるのをやめたいと思わないなら立て直せるものだ.
この世で生きるのは厳しいと思う.自分の思い通りにならないものだろうから.でも,何でも思うようになってもそれが良いかといえば,必ずしもそうでもないのだ.これが100%だという思いはいずれ変わっていく.不幸も幸福も移ろう.でも,徐々に不幸も不幸でなくなり,幸福が強くなる.だから,もし本当に人間に絶望して生きるのをやめようと決めていないなら,生きてほしい.必ず良くなる.後悔は中断した人だけのものだ.
