私はお金のために働いていない.もしそうであればすでに職場を辞めて,障害年金で生活している.私が働いているのは,やることがほどほどの量だけ与えられるからだ.もしひとりで時間を消費しなくてはならなくなったら,自分でやることを作って退屈を防がねばならない.それは大変だと思うから私は働いている.会社に所属していれば私を頼って仕事が与えられ,あるいは仕事の進め方を含め,私を考えてくれる.
会社員は楽なのだ.好きなように時間を使えはしない.しかし,好きなことに飽きてもやることがまだある.それも,いくらでも作ってもらえる.お金はおまけで,今の水準で充分である.決して多くもらってはいないが毎月使いきれない.このように,大人の労働理由とは,いかにも楽しいことしかないもので,悩みが多くある人も管理職には多くいるのかもしれないが,下で働くなら楽なものだろうと思う.
つまり,私が会社に所属していなければ,多くを自分で考えなくてはならず,それが幸せな生活だとは言い切れないくらいの年齢である.将来に楽しみを取っておくためのバネのような動機も得られる.今は言われたことをやるだけで時間を使っているが,いつか自分の好きなように毎日を使っていこう,という動機である.不自由があったほうが,メリハリがつく.毎日望み通りに生きていても飽きてしまったら怖いだろう.
会社に匿われていることで身柄が守られる上に健康や地位も得られる.日々不自由を感じるとはいえ,多くの意味で恵まれている.今の会社にいられる間はいて,働き続けたい.激しく働く必要もなく,ウェブを作る仕事なので作る技術も向上できる.得してばかりである気がしてくる.この好遇を活かして老後も楽しめると思うと,職場で嫌なことがあっても感謝しようと思える.ありがたいことだと思うようにしよう.
