仕事で新たな開発案件が始まり,副業の申請書作成も半分仕上がり,教会の資料作りと月報の作成と伝道原稿とともに仕事を多数抱えていて,久々に部録をつける.抱え込んではいけないが,多忙に幸福を見る性質は変わらず,脳の障害から見れば悪癖でも,やり遂げられるのでやってしまう.しかしきょうは糖分が切れたのか疲れてしまった.新しい仕事仲間と数学の議論をする昼休み,帰路に喃々と多弁になる癖,他人の書いたプログラムの読解と技術上の課題.かなりの知的労働で,身体から糖分はさーっと消え去ってゆく.昼休みになる前にお菓子を買い,1000kcal以上摂ったはずなのに,帰路には足が痛むほど.帰宅後すぐに麺を2人前平らげた.
それでも楽しいので考えていることがある.身体の重力である.時間が経つと重くなる.これは星がそうだし,人もそうだ.重くなる分,体積が増えがちだ.宇宙で重力の濃いところでは特に体積は増えていく.引っ張られているからだ.逆に,惑星状星雲の中心に位置する中性子星など,周囲に天体のない環境にある星は体積が増えにくく,密度が高くなっていく.これを人に転用すると,人の多いところでは太りがちで,孤独にある人は身体が大きくなりにくい.跳ねると地球という大きな存在に引っ張られるので,体積は縦方向に伸びていく.それでは加齢の秘術,老化とは何なのか.
時間が経つと重くなり,人とともにいると太りがちになるので,上がりゆくエントロピーを下げようと,軽くあろうとする.エントロピーが上がっていく顛末に待っている現象は,死だ.死を超えていこうとする力が,時間でもある.時間は万物を動かし,永遠に止まらせずに,万物を引き合わせる.従って,決して引き合わないような超越的邂逅を求めるほど,万物は体積を増していく.太っていく.太る原因は文字通りハングリーな欲求,つまり求めることだ.太らないコツは,求めないこと,群れないことだ.求めるなら自分の中に求めれば,エントロピーは下がり,加齢による重力の増大に対して心身のスマートさを保てる.
加齢は筋力を低下させるというが,それよりも重力の増加が著しい要因である.若いころのようにエントロピーが増え切っていくことを老年になってもしていては,死が早まるだけだ.筋力を鍛えれば,増加する重力に対し身体が軽く感じられる.多くの力を出せるからだ.そうでなくても,増加する重力を利用した結果,必要な筋肉は備わる.重力が増加する分,筋力維持に必要な運動時間は減る.
重力の増加に対し,細胞の体積増加を抑えれば,しわを遅らせられる.しわの抑え方は,細胞膜の面積を抑えること,つまり細胞体積を抑えることだから,塩分を控えない食事や,細胞膜を柔らかく保つことや,しわを伸ばさないことが大事になるだろう.重力は増加するので,地球の中心方向へ垂れてくるわけだから,横になることも有効なのだろう.
身体と重力について,21世紀になっても知られていないことは多く,老年期を堪えることは秘術であるといわれていたが,さしずめこのようなことだろうと広く知られていくようになるに違いない.
