最終出勤日に語ろうと思っていることに,職場環境への感謝がある.この部録を始めたころ,僕はウェブと出会った.すなわちこの部録はウェブに一から向き合ってきた記録でもある.記事を顧みると,間違った内容あり,大風呂敷ありで,見ていられないと感じた読者もおられるだろう.それでも継続して記事にしたこともあって,職場でいつしかウェブ開発の腕を買われるようになった.
腕で食う.こんなに幸せなことはあるだろうか.自分で作ったもので稼ぐ.こんなに生きがいと喜びを得られる仕事はあるだろうか.正直そう思っている.10年20年経ってこの記事をみたら笑ってしまうかもしれない.けれども,そう思っていた幸福な時代があったと振り返ることは,人生の幸福の一つであろう.
今の職場は,腕を上げる最高の環境だったと思う.給与を低くして切迫感を演出し,腕がないうちはこの程度の生活と覚悟させる一方,最高性能のマシンを恵んでのびのびと仕事をさせてくれた.チームのメンバーも人格者ぞろいでみな人柄がよく,高い技術の持ち主からウェブシステムの基礎を教われた.
復習が不足している部分があることが認められるので,あとは努力次第でものになる.こうしてウェブで思いのままを実現する技術は自分でも認められた.されど2年半.修業の成果を発揮するのはこれからだ.夏休み明けから開発と業務の引継ぎを兼ねて再び働きに出る.まともに働ける自信がついた.今の職場で働けて幸せだった.深くお世話になった上長とチームメンバーには感謝している.
