育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない.名言である.この人はどうしてこうなのだろうと思うとき,自分はあの人と違ってどうしてこうしてしまうのだろうと責めるとき,育ってきた環境が違うからと考えると納得して先に進める.また,好意は千の嫌悪からできている,という仏人文学者の格言にもとても助けられている.好きでいるためには,嫌いなところがたくさんあってよいのである.
どうやら仕事用の衣類を暫く買わなくてよい.うまくすれば1年くらい今の揃いで過ごせる.本も買い控えてよい.仕事で新しく必要な本は暫くない.正月に実家の棚から10冊くらい持ち出して,充分読み切れないのだ.1冊全部読める本は1年に十数冊程度で,その他は必要な時にさっと参照するように使っている.本当は全部読みたい,特に分厚い本を.
子どものころ,漢和辞典や天文データの本など,人が始めから終わりまで読みそうもない本を,始めから終わりまで読み,しかも何度も読み通したものだから,その読書体験の快楽が未だに尾を引いている.分厚い本を,始めから終わりまで,読み通したい,それも何度も!この考えなら本当は1冊の本で充分である.でも面白いことは多くてたくさん買ってしまい今に至る.
実はとても読書が嫌いである.話すことや読むことが億劫な性質がある.特に大きな声で話すことをしたことがなくできない.30代にもなって大きな声で話す訓練をするのも躊躇われて,本当は真っ先に訓練するべきなんだろうけれど,あぁできていない.小さい声で小難しい話をするのが好きな33歳.自分だったらそんな人は避けるのだが,今も知人はちゃんとおり,食事を共にする仲である.
