明日から師走.毎年あっという間に過ぎるから不思議なものだ.教会でクリスマス祝会の準備が始まり,年末年始に実家へ帰省する計画を立てる.そして今年も日曜数学者として2本寄稿するため枠を予約した.記事はできている.今年の2記事は自分にとって大きな問題に対して結論を下した.ひょっとすると今後も大きな成果につながるかもしれない.
研究の世界を歩いていると,たくさんの視点や知識を求められることは少なく,一点突破こそ王道だと思うようになった.ひとつを掴むとすべて掴める,そういうひとつを見つけること.少なくとも自分にとって新しいなら,他の無数の人にとっても新しく,少なくとも自分にとって正しいなら,別の時代の人にとっても正しい.事実は貴重だ.
毎年2本ほど寄稿している「日曜数学アドベントカレンダー」では,いくつかの事実を見出している.失業させない社会の設計,光の干渉縞も熱帯魚の縞紋様も表す式,生物が興奮するほど長くなる仕組み.端的に間違っているものもあるのかもしれないが,面白く感じられるものを考えてきたつもりで,内容は担保している.
同時に,寄稿は主題の終了でもある.研究は打ち止め,これ以上今は突っ込まないという措置でもある.しかし,次の年か暫く経つと,また関連することを考えていたりするから,研究は終わらないし広がり続けてしまえる.今年の主題は大きなものだったので,来年はもっと地味な問題を考えるつもりでいる.どうせ今年までの主題に関連する話しになってゆくのだが.
