今の職場の売りは,みなし公務員という身分で生活できることだ.給与は平均的水準で安定し,さらに自分は重度障がい者なので障害年金も受給中だ.年収にして400万円の生活.職場は政府の方針で統廃合するかもしれず,無くなることはあるがそれまでずっと働ける.安定した生活を人生で初めて経験している.
その一方で,登録していた求人サイトで変化が起きている.オファーが絶えないのである.この現象は今の職場に移ってからずっと起きている.WordPressの有名な本を出版しているウェブ制作会社や,年収600万円を下らないウェブ開発職など,好条件好待遇の求人から立て続けにオファーを受けている.
心が動かないはずはない.自分はもっと働きたい,力が有り余っている現状を収入に変換したい,老後もウェブ制作を続けるのだから制作会社で本格的に働いてみたい.夢は膨らむ.しかし,横浜からの通勤,遅い帰宅,生活環境の変化,そして転職したての人間である.現実には転職すべきときではなさそうだ.
オファーを受けているというこの現象を,自信と希望として解釈する.技術や向学心を買われている.一定の技術を認められている.そう思えば,年収が相対的に低くても,今の職場でウェブエンジニアとしてひとりで依頼されたシステムを量産している日々をもっと楽しめるかもしれない.職と収入.選択の好機は難しい.
