ここのところ読書量が足りていないと分かっていたので,関心を持てる本を買って読みはじめた.四季報の出版社による業界研究のムック,超高齢社会での暮らし方を考えるためのデータブック,CentOS7のハンドブック.本の読み方さえ忘れていた気がするほど読んでいなかった.一度読んで終わりな本でなく,何度も読んで初めて分かってくる本を,私はたくさん持っている.
職場に置いてある本の中に,3回5回読んだ本もある.それでもまた読み足りなさを感じるのでまだ読む.そのくらい技術書は何度も読んで初めて理解されていく.読書百遍というけれど,大切な態度は「自ずから」通ずというところだと思う.無理に理解しようとすると曲解に導かれやすいし,分からないことが分かったときとは,机の上ではないことが多いからだ.
毎朝通勤先の駅のバス停で小説を読んでいるあるビジネスマンを見かける.タイトルを覗くと古典から流行まで幅広く読まれている.毎日お持ちの本が異なる相当な読書家で,書斎の蔵書も個性的であろうと想像させる.この方は同じ電車で降り,同じバス停で降りるため,ほぼ毎日見かけるが,どうやら彼の読書への情熱に私は感化されたらしい.
読書は数か月ぶりなので,まず興味関心が続く本だけを読むことから始めたい.読書を暫く止めていて分かったことは,読まなくても幸せを感じる出来事は立て続けに起こるけれども,読んで過ごす時間は,読まずに過ごす時間よりも,さらに幸福をもたらしてくれる.新しい世界へ広げられることによって,過去や将来のことに思いを馳せなくて済むからだ.
