最近仕事の質について考えることが増えた.要求される品質.立場上のこともあるし,雇用契約の継続を考えると,上司がいくら承諾した品質であっても,自分に要求するところを満たさないと,人前に出してはいけない,出したくない気がしてくる.今公開中のものも,自分が加わって制作したが,配置が一部分かりづらいと思うし,見づらい動きをするところがあり,公開中であることが本当は厭である.
厭というのは,苦しいとか辛いとか恥ずかしいとか,それらの弱い混合のような心的状態だ.帰宅したらばそれを忘れ,休まねばならないが,出勤時に解決案を考えて歩き,運よく考えついたときはよいが,混沌としているときは,閲覧するだけで変えたくなる気持ちを抑えるのがたいへんである.幸い毎月更新案を提示できる仕組みを上司が作ってくれたので,疲れは溜まらなくなった.感謝である.
仕事の質.より高い完成,より広い認知,より快い効果.主張するでもなく,地味でもなく,ただ見るだけでどこに欲する情報があるかすぐわかり,ただ構っていると次に何を欲するかすぐわかり,ただ使いやすく印象に残る,ただずっと見ていたくもなる,さまざまな観点から参考にしたくなる,そういう模範品質を生めるように技術を磨いていきたい.おぉっと言われなくなったときは引き時だろう.
職人の道にあると思う.だんだん自分より見識の高い人物に出会うことが稀になっていく気配がする.自分の品質を満たせば喜んでくれるお客様には,本当はもっと高度な要求が隠れているはずだ.だから自分の技術を現状維持にしてはいけないし,この業界でやっていくにはこんなくらいのものなのだと軽く考えてはいけないし,自分に要求するところを狭めたり低めてはならない.本2冊,明日届く.
