あるWeb雑誌の記事に,データのガベージコレクションの話が載っており,読んだ.ガベージコレクションとはいえ,プログラミング言語での話ではない.実際のデータファイルのごみ屋敷の話だ.ある青年がデータのアーカイブを作っている時,神聖な気持ちになるというので,自分も体験しようと決め,書棚に突っ込んである英科学雑誌の自炊をするべく,スキャナを自前で調達し,きょうだけで10部のアーカイビングが完了した.
データはPDF形式でストレージに溜めるのだが,物理的な容積を必要としないため,いくらアーカイビングしても嵩張らない.先の科学雑誌は本棚3か所分を占めており,仕事の広報業務に役立つので,どうやって管理するか考えているうち,いつかやろう,程度にまで優先順位が下がっていた.この際だと思い,連休を利用して方針と方法を確立した.あとのことはスムーズに運ぶだろう.
スキャンが終わると論文と本文と広告とにページを分けるが,これがまた楽しい.時間を忘れてしまう類の面白さだ.記事や広告のデザインが見飽きないデザインになっていることもあるが,知的好奇心が擽られる専門的キーワードが視界に入ると,もっと読みたいと思いはじめ,今あるこの大量の論文を読んで部録に残していくという夢も出てくる.どうやら趣味の世界は広大で,深い.
ともあれこの大量3年分の英科学雑誌Natureをすべてスキャンし終えるのは早くても夏まで掛かる趣味だ.背表紙をカッターで切り落とし,スキャンが終わった号から処分していくこの工程は,いつか終わってしまうのだと思うと,早く行わないように気を付けたくなる.でも本棚が空くことも魅力であるし,読みたい本や読むべき本が読まれるのを待っているこの書棚に新しいメンバーを迎え入れたい気持ちが逸るのだった.
