勉強は限がない.いくらでも勉強できてしまう.大学を出て更なる勉強をせずに定年を迎えられるなら,勉強ばかりしている人生より賢いと思う.また,ある程度勉強して満足できるなら,それは賢い.欲を出すと限がない.しかし,勉強したい気持ちを持ち続けることは,新しいことに挑むことと同様に若いことだというわけで,知識や技術に時間や手間暇やお金をかけることは一般に奨励される.それだから,知りたい気持ちや作りたい気持ちに,更なる上達を求める欲を若いときに植えつけたのだった.
それでも勉強法について悩むことが増えた.技術書を1冊身につけるにはどうすればよいのか.限られた時間をどのように使うか.やる気を継続して起こすにはどのようにもっていけばよいか.最近は特に,独学で勉強した内容が疎かになり,仕事での内容のみを身につけるばかりだ.仕事でも技術を学び取っているのだからそれでよいとも思う.
でも,今までは学校の勉強のほかに必ず独りで勉強していた.仕事上の知識を復習するだけでも良いのかもしれない.勉強の方法は義務教育や大学教育,新人教育で充分なのかもしれない.しかし,熟達度と共に勉強方法が変わってきたのだから,30代の勉強方法があるはずだ.開発の実力をつけるためにできる勉強はどのようにすることだろうか.
ひとつ気づいたのは思考の幅だ.システムを作るときまず様々な機能を考えるが,考えられればそれは実装できる.思考可能なものは実現可能なものだ.考えられることを増やすことだ.システムに必要な機能を貯めておいて,設計知識として記録する.建築科のときもそうだった.そう考えて,設計知識を貯めるDBを作って公開してみることにした.実装と実現と参照先を記録していく,開発のキュレーションメディアである.
こうして作ってみることを決めて設計し,作ってみることができれば仕事になるので,それが30代の勉強法だと思うのだ.研究する主題が決まれば,自然と知識が身につく.最高の勉強法だ.
