グラフ理論の研究をしている.今年は2種類の新しいグラフを発案し,その応用を考える年だった.先日,雇用問題に適用して,雇用が生まれる3つの原則を解明した.もう1つのグラフはある数学問題の証明に近づくものだが,応用できる分野は未知数である.面白い年だった.研究し尽くしてはいないので来年も面白さが続くのがよい.
その来年であるが,テーマを5つほど設定した.主にグラフをSQLで表現する研究である.グラフをRDBMSで問い合わせる手法は確立しているとはいえない.先述の2つのグラフに付随するいくつかのアルゴリズムは,SQLで表現するときに助けとなり,在庫調整や投資管理に役立つことが分かっている.
管理職の激務を激減させる管理職向けアプリのエンジンになったり,投資戦略を自動化する資産管理アプリになったり,在庫の変動が大きい商品を発注し売れ行きが少ない商品を減注する在庫管理アプリになったりする.意外なつながりを自動認識するアルゴリズムも実現できたらいいと思う(これはケビン=ベーコンクエリという).
ビッグデータの利用法が広く知られているわけではないので,方法によってはビジネスにもなる.Windowsデスクトップアプリの開発本を2冊すでに買ってある.開発の腕が鳴る.グラフとSQLとビッグデータ.この何でも実現できる時代に数学的装置を発案することは,この時代を最も楽しむ方法なのである.
