仕事が終わるとYouTubeを見ている.バビロン,渋沢栄一,嫌われる勇気.人生の糧になる本を解説する動画ばかり見ている.そうか世の中には時代を生き抜いたこんな古典があるんだ,道徳は進化しないんだ,貢献こそが幸福なんだ.自分の身にするには経験が足りなすぎるが,人生を歩む方向は分かった.結局,自分のできることをして誰かの役に立つ,貢献できる技能を磨き続ける.それで満足する.この辺りが正解だというわけだ.
このYouTuberはサロンを経営している.私が以前から考えさせられていた,知識産業の中枢つまり知識そのものを売る産業でうまくいっている人物である.知識を売って稼ぐことに罪悪を感じていた自分.知識を提供し続けていくと,非対称性が弱まるけれど,宗教化してしまいかねない.人間は弱いから.知識を売ってきた偉人たちは,知識を作ってきた研究者に感謝するため,その創造性を神格化しがちだ.そこには弱点もある.
才能ってどれくらいあればいいのか.才能をどのように使っていけばいいか.才能は何のために与えられているか.こうした疑問は,仕事や交友や家族にとって,直接効く問題である.嫉妬させてもいけない,褒められても褒めてもいけない.おそらく才能は幸福になるために与えられ,幸福とは自分のできることを弁えたうえで自分のできることをして満足することだ.満足が深いほど才能を大きく与えられている.
知識は昔からすでに存在する.孔子やイエスの後の時代の人々は,知識に基づいて行動するかどうかだけで,人生を幸福に変えていった.それは今も変わらない.本当に価値のある知識を嗅ぎ分け,自分に欠けている特性を見分け,変えていくことで,地域や国家や世界を良くしていく.幸福になるには自分の分の大きさの穴を掘って住まうという蟹穴主義.たくさん開拓しても,他の人たちの最前線を奪ってしまうから良くないと云った人もいた.

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