部屋にあるものを減らすのは善だ.自分の持ち物を減らすと,管理しきれなかった状態が終わり,管理できるようになる.手元に残った好きなものをもっと身近に楽しめる.おまけに,新しいものが入る余地に新たな風が吹く.すっきりさせる目的は,単に空間に余白を作ることではない.好きなものをより楽しむところにある.人の一生は有限時間だが,物の数は無尽蔵である.
きょう思い切って蔵書の半数以上を自炊代行に送るべく梱包した.計3箱.開発系の本はPDFで読めれば本と画面を行き交わずに済んで使いやすいし,科学雑誌やデザイン関連もPDFのほうがコピペできて利活用しやすい.書斎にはそういったジャンルの本が殆どであるため,百冊ほどになった.半数は半分も読めていない.7割は最後まで読めていない.9割は初めから終わりまで読み通せていない.そんなものだ.
その梱包後,巨大な空間ができた.本棚1棹が空いた.そこで,まず机の上に置いていたものを移動した.2脚の机から物がなくなった.それだけでなんときれいで明るくなったことか.部屋の印象が変わった.さらに,まだ余裕があったので,好きなものをジャンル分けして収納し直した.すると,なんと好きなものが使ってほしいかのように近くに来て,好きなことが身近になったように感じた.
本3箱は色刷りのPDFファイルになって2か月後に戻ってくる.それまでに端末を準備する.締めて高々数千円,専門書1冊の値段で済む.今まで何も考えず本を紙で買ってきた.これからは電子書籍を基準にする.本で買って自炊を頼めば,カラーのPDFで読める利点もある.手段はいろいろ,目的も本ごとに異なる.しかし紙しか知らないのは損だと思ったという話し.
