趣味で数学を研究している.私は自閉症スペクトラムの障がい者で,自分をこの社会で活かすには,好きで得意な数学で貢献したいといつしか考えるようになった.数学の研究を発表するウェブサイトを作って運営しているし,今度数学の動画をYouTubeにアップロードしようとも考えている.チャンネルはすでに作ってある.今回は研究の余地があるテーマを紹介する.能力と時間が釣り合うテーマを集めた.
1.珍しさの情報経済学
珍しさは相対的な量.ある地域にあまりないものは珍しい.けど別の街ではありふれているかもしれない.ある人には大変貴重なもののように感じても,別の人には価値さえ見えないものかもしれない.そんな珍しさを数式で定式化できた.日常性すなわちどこにでもありよく使うものの性質と併せ,珍しさと日常性の和を1としたのである.これを複素情報理論の定式に代入すると,珍しいから買う商品とよく使うから買う商品を1つの数式で表せた.さらに,この数式では商品にまつわる情報量が増えるほど,商品の価値が上がることが説明できた.広告を打ったり噂を流したりして商品が認知されていけば,その商品は売れるのである.売れすぎて珍しくなくなったとき,あるいはどこにでもあるほどありふれてしまったとき,それでも情報が多ければ価値を生み続けるのである.
2.複素確率と世界解決問題
これは今一番ホットなテーマ.問題と解くとはどういうことかを複素確率でモデル化すると,解決機関が定義できる.この解決機関を実装するか検索機関に組み込むかすることで,情報自身が問題を解決していける.さらに,解決するとは実際にその場に起こることを予測することだから,解決した問題が実際に起こることを決め,さらに問題を発見する.解決機関は無限に問題を解決し,無限に新たな問題を作り出す.情報は本来情報のままではおらず,情報は情報を引きつける.その情報同士の結合が解決機関で自動化され,次々に解決していくのである.結合を人為的に行っている現代だが,解決機関は情報が情報を連れてくる.しかし世界は完全に解決されることがないのだ.
3.ポリゴングラフとSQL
価格多角形にも使われるポリゴングラフをSQLに応用するという研究.私がメンガーのふるいと名付けた表計算手法を編み出し,グラフの最短経路を表で求めるにはポリゴングラフを使えば可能だと結論している.表計算なのでデータベースで扱えるため,グラフの経路をSQLで求められることになる.経路の条件は最短であるほかにいろいろ試せるのがメンガーのふるいの特徴で,この手法はグラフの経路を求めるための汎用的な手法である可能性がある.価格多角形の概念と組み合わせれば,最適な価格を求められるし,在庫管理や渋滞予測にも役立つ.ポリゴングラフはグラフ理論を人工知能で扱うための橋渡しを担い,現在流行している深層学習とはデータの学習が不要な点で異なる.
4.植物細胞の物理学的理論
細胞成長の法則を次元解析し物理変数を確定する研究から始まり,細胞一般について管流の物理学を確立する.植物の形態から始め,人間の人体の構造に応用し,糖尿病や冷え性や高血圧など身近な病や不調を物理的に改善する方法を編み出せる.さらに植物の構造から葉数と分枝という概念を抽出したが,これらを管流の物理学にとり入れることで植物形態成長の一般理論を組み立てられる.この理論は人体の成長についても適用できるはずで,現状世界に暮らす人間の生物学的差異を気圧や気温や湿度などの地学的変数に加え,植率すなわち在住密度など植物的変数を人間の地域生息に応用し,人間の多様性を説明する理論となる.ダイバーシティの時代にそれを認める根拠となり得る.
5.マルチエージェントゲーム理論
ゲーム理論を2〜3人の枠に止めず多人数に拡張する研究.ナッシュ均衡を表計算で求めることができたのを起点に,ゲーム理論を表で考えデータベースを援用して進める.まずプレイヤーが何人いても良いゲームツリーにおいて戦略と利得の積を考え,複数人の間で利益が上がる根回し術を導く方法を確立する.戦略はポリゴングラフの面積経路とし,利得はポリゴングラフの経路面積とする.予算を節と辺の積とする.すると,グループの利益を最大化する経路を見出すことができる.この理論が確立すれば,囚人のジレンマで囚人同士で通信があった場合や,トロッコ問題で乗客と線路上の人物との間に交渉のメッセージがあった場合など,古典的思考実験に情報通信の可能性があるケースを提供できる.
