ティーンズの思い出は今もなお鮮やかだ.特に好きだった天文に関しては脳裏に焼き付いている.天体には番号がついていて,メシエカタログとかNGCとかいくつかカタログがあるが,小学生の私はいろんな本から天体が載っているページを探してきて書いてある天体番号を集めて記録していた.この趣味は4年間は続いた.最後にはWindowsのとある天文ソフトに全て入っていて無事コンプリートできた.
これと同じ趣味を持っている人に出会ったことがない.フラムスチード星図が好きだとか天球図の星座絵が好きだという人はTwitterで知っている.しかし天体番号を集めてデータベースにしているという人には出会ったことがない.私は小学生にして世の大人たちでさえ知らないような趣味を嗜む人間になったのだ.独自的.ただ社会的に意味のあることではないし,革新的生産的でもない趣味である.
フラムスチード星図を写したこともある.両親が居間の壁に飾った.これを機に私は高校3年で美術学校に通いデッサンや建築水彩を習った.この時の作品は今でも居間や階段や部屋に飾ってある.A2で40枚は描いた.今も時々鉛筆画を描きに出かけたくなるし,雑誌の建築写真を鉛筆で写すこともやる.厚紙やコピー用紙で立体を設計し制作することもある.ただ,こういった趣味を持つ人は世にはそういない.
趣味はひとり持つもので,誰かと同じ趣味を持たないことが誇りでさえある.そういう節が身についている.それだから流行を趣味にすることをあまりしない.私は好きなのでクラシックの声楽を趣味にしたし,スーツもそうであるし,外国語や数学の研究もそう.世に嫌われたり少数派だったりすることに情熱を傾けられる.これは特技である.趣味の空間は星図のように見えない人には見えない層を成しているのだ.
