物を買わなくなる暮らしを実現する環境が整った.衣食住の衣と住にはもう投資しない.買うとしたら食であり,近所のスーパーマーケットで仕入れるくらい.変動費はそれくらいで収まる.そういう暮らしである.収入の7割は投資に回せるし,3割で生活が回る実績はある.7割を投資に回すことで単純に年間200万円の資産増を達成できる.値上がりや配当でもう少し変動はあるが,目安はそのくらいである.
年間200万円.無駄に使わなければお金は貯まる.40歳で1,500万円の資産形成を目標に定めたが,これは200万円に少し届かなくても達成できるくらいの目標である.私は無駄を好んできたが,この都市生活で無駄遣いはすっかり嫌になった.無駄な支出を無くすためにいくつも考え方を変えてきた.価格のからくりを学んできたし,お金の使い所も考えられるようになり,昔より買い物は上手くなった.
この8年間,資産は順調に増えている.ほとんどゼロからのスタートだったので,貯まらない理由もなんとなく理解できる.貧乏とはお金の少ない人ではなく,欲が無限に続く人である.そうウルグアイの元大統領が喝破したように,貧乏な人は欲を続けて新しい物を買っていく人である.経済を回しているとも言えるし,制度を崩壊させているとも言える.こういう人が世の半数以上を占めるらしい.
彼らをどう扱うかが社会設計上重要である.お金を使わせずに貯めるようにさせると消費が減る.でも本当に必要な物にお金が回るので消費は改善する.このあたりの世論誘導は重要な課題であるけど,節税をしない人の中にも節税を知らない人と進んで納税する人がいるから,単純な集合ではない.世の中の経済をよく知ることは楽しいことだと思う.私はこれから物を買わずに済む喜びを味わうから,少数派に属することをも楽しめるだろう.
