60歳で4,000万円の金融資産を持つことを目標に生活を組み立て直すことにした.というのも年金に期待できないからだ.私には無職の時期もあり,シミュレータで計算してみると今の状態を持続すれば毎月6万円がせいぜい.これでは生活できないので,年間100万円の生活資金が必要である.60歳で4,000万円あれば今くらいの生活水準で暮らせるのである.これは不可能な額ではない.
60歳以降の暮らしを少し描いてみる.趣味は相変わらず街歩き,カメラを引っ提げて街を撮り,部録にアップする.午後は世界文学に親しみこれまた部録に書評を掲載.数学の研究は整理され,とある個人メディアにまとめて掲載.日曜は教会の礼拝で讃美歌を歌い,教会を支える側の人間になる.30代で買った服を身につけ,そのために体型を維持し,食生活は質素なまま.気儘である.
大きな災害や暴落や天変地異が起こらず,平穏に暮らすことを前提として以上のように計算してきた.この暮らしの延長に死があるなら私は幸福に生涯を閉じられる.デジタルとアナログの中に確立した生活様式は,未来の社会においては古色蒼然たるものになっているかもしれない.でも老人は自分の楽しみを持っているものである.流行や視線や評価を気にする齢でもないだろう.
この街は生きるに値する魅力に溢れる街だと思う.まだ知らない地域や区画が多くある.趣味を探すのが得意であるらしく,多趣味な老人になることは保証され,流行をどれほど取り入れて暮らすか未来の進歩が楽しみ.60歳で4,000万円の金融資産を形成すればここに描いたとおりの暮らしができる.そのために堅実な観念で安定した生活を営むことが大切だ.仕事を続けられれば問題もない.
