有益な話をした.老後のために資金を作る,そう若者は考える.ある程度の貯金ができたら投資を始め,1,000万円できたら上出来.さらに上を目指す,みたいな方向で考えがち.しかし,友人知人の人生の達人は口を揃えて同意する,老後の資金は崩れない.使い切るのは大変で,使い道といったら旨いものを食べることくらいであると.どうやら,1,000万円を超える資産を持っていても,死ぬまでに使いきれないというのである.
そこで考えた,今の収入が世の平均なのだが,手取りは正直23万円.それで生活費が8万円くらいで済んでいるので,毎月15万円が自由になる.そういう暮らしをしている.そこで10万円くらい使って応援したい企業や店舗で買うようにし,残りは株式を買うようにしていた.この数ヶ月はそんな生活をしていた.そのくらいでもう贅沢をしきった感があり,10万円も使わないようにしようとか考えるのも違うように思えてきた.
節約は殊更しない.お金は吝らずに使う.吝は不幸の始まり.それは学んだけれど,考えなしに浪費するのも不幸への道.必要なものを必要な時に買い,不要になったものは潔く捨て,部屋を整理しておく.これを基本とし守っていけば,お金に特に悩まず暮らせるのだ.老後の資金も2,000万円も要らないかもしれなくて,先日立てた計画は大きく縮小する.65歳で2,000万円も要らない計算である.なんだろう,すごく容易になった.
そこで何に使おうか考えて,しばらくやはり投資に使ってみたいと考えた.つまり株式が欲しいのである.株式を欲しいだけ買い,買い倦ねたら妻に分けるか教会に寄付する.そういう道しか残っていない.なんだそのために資産形成していたのか,という話になり,だいぶ肩の荷も脳の拘りも無くなった.私は株式と妻と教会のために資産を作っていた.正体がはっきりして目的も明瞭となり,これで本当に大事なことに力を使える.
