平和維持に必要なことはまず語ることだという.歴史的に和平が成立した出来事の裏には対話が必ずあった.人間の口は飲み食いだけに使うものではなく,話すためにだってある.口があるならもっと動かしなさい,そう教育されて育った人もいる.人を人たらしめるのは言語であるならば,言語が飛び交う状態は平和の常態である.だから私は部録やSNSで讒言を連ねる人々を平和の鍵だと見ている.
責任のある立場とは批判される立場である.自分の方針がいかに素晴らしくとも,誰かの意見を受け付けないほど完璧なことはあり得ない.いつも上司の方針には穴や欠落があり,それに状況は動くものだから方針も変わる.部下や同僚の知識量や立場も変わるのだし,情報の行き交うところ力学も生まれ,自分の立場を守ろうと思うとややこしくなる.批判されないように判断するのではない.それが本質だと思う.
穏やかに過ごすことが一番の方策である.この前提をいかなる場面にも適用して良いものだろうか.私は良いと思う.たとえ国家機密を扱う仕事でも,国民を代表して下僕のように働く立場になっても,穏やかな世界を維持することは何もしていないようでいてとても大変な仕事をしているのである.世の平和は神の意思に関わるが,神の意思に反しないよう努めるリーダーがいて初めて成し遂げられる.
功績や名声などはどうでも良く,世の平和を継続させることに注ぎたい.そう考える為政者が現れれば,この世界の平和を維持するだけで大変な仕事だと広く認識され,対話が進むのではないか.意見が飛び交う言語空間を作る一人として,私は今後もウェブの仕事に携わっていく.そして部録に考えを書いていき,もののわかった人物になろうと努める.そうすることが世界の平和につながっていると信じるからである.
