金銭感覚について.きょう教会にお金を乞いに男性が来た.好青年である.生活保護を受けはじめたが受給日までの4日間の生活費が尽きたそうだ.牧師は乞いに来たのが3度目であることや依存症になってしまうことを考慮し,お金を渡すことはなかった.しかし,私は来週教会に返しに来ることを条件に5千円貸した.もし来週返しに来なかったら,彼の人生を深く不憫に思う.彼がそんな選択をしないことを祈っている.
私の資産は税金でできている.だからできるだけ私利私欲のために使わず,広く公共のために使うべきだという意識がある.遡及で受給した障害年金も,福祉事業所時代のアルバイト収入も,現在の職場での所得も,すべて税金.だから,生活に困っている人に進んでものを買ったことがある.ホームレスにお金を渡したことも幾度かある.バングラデシュの子どもに毎月の寄付を始めて6年になる.
知りもしない人にお金を渡すことは,少し考え物でもある.容易に信用して騙されることもある.世間には色々な人間がいる.きょうの彼も悪い人ではなさそうだが社会的弱者である.人間は弱いから,知識を持たなくては欲に負けてしまうことはどんな人でもある.私は個人的に,来週返しに来たら「よく来たね」と励まし,図書館の利用者カードを作ってまた次週見せてくれというタスクを考えている.
彼は本を読む人ではないかもしれない.しかし,私が貧困から脱却した方法は読書である.もちろん信仰を持てればこの上ない.彼に渡したい本もある.お金の教科書という本である.しかし,もし本を読むことに慣れていなければ古本で売られてしまいそう.それは惜しいのでまず本から知識を得る習慣をつけてもらいたく図書館をお薦めしたいのである.彼が貧困から脱却できる日が来ることを祈っている.
