ウェブについて結構詳しくなってきたと今年を振り返って思う.私は自分に評価を下すとき厳しいので,自分で何かをできるようになったことを評価しない.自分に手厳しい.でも,職場の人たちがいうには,私はウェブテクノロジにおいては職場で最も詳しく,職場全体で見ても屈指の技術屋だと思われていた.意外だったが,私を包んでいた劣等感は消え,かといって無益に傲らないような姿勢をとるようになった.
元々ウェブが好きで今の仕事を得たので,勉強は全く苦しくなく,今これから新しいとされる技術を学べと指示されたら難なくマスターする自信はある.今はまだどの技術が仕事になりどの技術は趣味にすぎないかを弁別できるほど,与えられる仕事の内容に多彩さがないので,今は狭く基本的な範囲に留めている節がある.有用なのは基本であり,応用が利くことが大切であり,新しいツールは定番化するまで待ちたい.
思えば今年は書籍を自炊しPDFに変えた年だった.いつも手元にあったウェブテクノロジの本たちが今は手元になく,PDFになってPCのストレージや外付けHDDやUSBメモリに収まっている.つまり読んでいない.手に取っていない.そして,歳月は内容を待たず,古くなるのだろう.本棚が1棹減り,書斎から混雑が消え,情報を探す手間が省けた.しかし,本と付き合う時間は減り,勉強する時間までも減った.
多分,本を読まない時間も勉強のうちなのだ,仕事中は本に頼らず自分で考えるようになって本当に身についたと思う.技術が深くなったと思う.本と対峙する代わりに,自分自身の技術力と対峙したおかげだろう.技術屋は本をそのまま覚えても仕事にはならない.自分で使える知識にする必要がある.きちんと動くものを人様にお見せできる品質で作れなければ仕事ではない.この基本をよく知れた1年だった.
