お金があれば解決できる問題は多い.お金がなければ生きていけない社会である.お金に苦労している人も多い.お金のために働き,貯め,増やすことに生活の目的を置き,お金が第一だと考えるようになった人も多いのでは.そんなお金第一で動く人,特に給与の低い若い人や,氷河期の人,貯蓄に失敗した老年者に,こう問いかけたい.幸せに生きるために本当に多額のお金は必要ですかと.
ある程度お金を保有した経験のある人なら,お金を第一に生きることは辛い生き方だと感じるだろう.人間が本当に欲するのは,お金ではなく,愛や情緒的安心や人生に対する深い満足や快楽であろう.これらは必ずしもお金と交換することで得るのでもない.砂糖や小麦粉をよく食べる人は,安く快楽を得る方法を心得ているが,2型糖尿病になる危険を孕んだ行為である.でも,安く幸福感を得る方法ではある.
今私はお金に全く困っていない.資産総額は数百万円であるが,1,000万円を超えた時期もあり,お金に対しドライになっている.本当はそこまで多くいらないものだと思っている.大金持ちになることは私にとって幸せではないと考えている.お金のために行動することは避けたいと感じている.働く目的はお金ではなく,安さを買い物の絶対的基準にしないよう気をつけ,寄付や募金献金には惜しまない.
どうやらお金の正体がわかってきたようである.私はそんなに多く持たずに生きたい.多くて2,000万円であり,60代でそれくらい持っていれば充分すぎる.私は今後ことさら収入を増やす努力はしない.稼ぐことを生活の第一にしない.もっと他の豊かに暮らす趣味に時間を割きたい.やることは多すぎるくらいある.いずれもお金に結びつかない.でもそれが豊かに生きる秘訣であるようだから,私はそれを選ぶ.
