買い物の決断とは,瞬間である.買おうと決める要因は限られていると思う.機能,外観,使用イメージ,期待,そして価格的相談.どんなに長く検討を重ねて買う人でも,買おうと決めた瞬間というのがあるはずで,検討中に稲妻が落ちた,と表現する人もいるほどだから,買う決断は瞬間的なものだと思う.だから,顧客を集めたり売上を増やしたりする手法すなわちマーケティングの目的は,その瞬間のスイッチを押させることである.
WEBを作っている立場の人間として,お客さんに認知してもらうことはウェブサイトの目的の階段の初歩.本当は,瞬間的決断を誘導するような手法をたくさん作れる人材になれれば仕事に困らないだろう.でも話はそう簡単ではないと私は思う.瞬間的にスイッチを押させる手法は一般に知られていないし,そんな一般的な方法がそもそもあるのか疑問である.瞬間的決定を誘導する指標の一つが「珍しさ」だとは思っているけど.
もし珍しいから自分に必要だと感じさせる手法が有効だとすれば,定石は存在しない.物も情報もいずれありふれる.珍しいコンテンツやデザインの仕組みを考え続けなければならぬ.珍しいから瞬間的に決定する.その誘導をサポートする仕組みやデザインも有効である.こちらは定石のようなものがいくつもありそう.いずれにせよ,検討しているか欲しいと思わせ,瞬間的決断を誘導することが,マーケティングのデザインである.
自分の購買行動を振り返ってみた.早速今日,モニターアームとVESA対応PCトレイとクランプ式ボトルホルダーを,自分の決断を観察しながら購入してみた.YouTubeで利用シーンを調べ,楽天とAmazonで価格を比較し,メルカリでも調べ,楽天のキャンペーンにエントリーし,注文した.この中で瞬間決断をしたのは楽天のキャンペーンで割安と感じた時で,実際の利用シーンを考えたのは注文後だった.意外に人間そんなものだ.
