夏休みの最初の3日間が終わる.休暇前の宣言通り,生産的なことは何もしないで過ごした.書斎を暗くし,冷房を30度の室温でつけ,暗闇でYouTubeを聴く.2時間枠の講演会を3日間で4本見た.いずれも面白い内容.視聴中に過去の記憶を辿り,やはり思い出が少なすぎると思いつつ,学生時代に凝っていた好きなことを改めて思い起こした.私はどのような学生生活をしていたかさえわからなくなっていると知った.
講演会に数多く参加する学生だった.全国の図書館にフットワーク軽く出かける学生でもあった.バイトもこなし書籍費や旅行代を自前で調達してもいた.これらにより知的好奇心を大きく育めたと思う.また,大学図書館には入り浸り,どこにどんなジャンルの本があるかほぼわかっていた.もっと言えば,どの本にどのような知識が書いてあるかもわかっていた.借りて読んだ知識の量は1,000冊を優に超える.
この3日間何もせず思うことは,知識があればどんな困難も越えられる,という大学のある教授の言葉は本物だということ.どんな問題に遭遇しようとも,それを解決する科学的知見が必ず存在する.知ればいいだけだ.この科学の時代である,過去数世紀の研究の蓄積は,読みやすい書籍となってマニュアル化され,それを実践すれば問題は解消し,これから遭遇さえしなくなるかも知れない.
困ったり苦しんだりする時が来る理由は,端的に勉強不足である.これを心に深刻した.休暇前に私の周りの困った問題の数々は,休暇を取ることで,何もしなかったことで,調べて出会った本を繙くことで,解消の道が見えた.知識は知恵になる.困ることが急減する.大学図書館で読んだ知識が,ちゃんと今の自分の身になっていて,無限の趣味空間を生み出している現状を,両親に感謝したくなってきた.
