25点のガジェット,100着の洋服.私の書斎にある物の数だ.実際に数えてみると,それほど多すぎないように感じる.思いのほか無駄な物は残っていない.今年前半にメルカリで売った物が20点くらいあり,その篩にかけて残ってきた物なので,使う物や好きな物など,存在理由を持つ物がほとんど.なので,これ以上すぐには減らせないし,無理に減らすことはしない.しかし,まだ整理していない物がある.本だ.
昨年の今頃まで,本は300冊はあった.本棚に並べられた背表紙を見て,無限の好奇心を掻き立てられていたものだ.それらの半分以上を自炊代行業者に送り,PDF化した.それ以来,その出来上がったPDFを読むことはほぼしなかった.本のように参照しにくいのだ.不便を感じた.でも,章ごとに小分けにできる利点もあり,章にファイル分割した本が何冊かある.そのような本は,少し,読み進められた.
今改めて書斎の本棚を眺めてみる.文庫が多いのが目立つ.文庫だけで100冊はある.文庫はPDF化するメリットが小さいように思う.最近はビジネス書は読んだら捨てるようにし,文庫も古本に出すまでもなく捨て,もう一度読みたくなったら買い直しても低価格で済むのでそうしようと考えている.それで良いと思う.読み切れないほどの量の本は,私から時間を奪っていく,このことを感じる.どうするかが問題だ.
本は文化の象徴で,得られることが本当に多いことを知っているからこそ,買いやすく捨てがたい.そして,読み切れない.改めて冊数を調べ,目標上限を決めて減らそうと心がければ,自然ともっと読むようになるかもしれない.効率的に読む方法を覚えるかもしれない.声楽の師匠の部屋に楽譜は50cmも並んでいなかった.それが最期を迎える前の持ち物の量なのだ.今の私の冊数は単にまだ多すぎると思う.
