師匠は音楽を楽しんでいた.私にも音楽を楽しめるよう配慮して指導してくれた.うまく歌えることも大切だが,音楽を好きになること楽しいと思うことの方が大事だと暗に教わった.だが,私は自主練習をサボっている.書斎に戻っても読書や動画で時間が過ぎ,歌おうとは思わない.喉を守っているともいえそうだが,罪悪感まで負っているのだから,サボっているのだ.気持ちも気分も,歌から離れている.
音楽は毎日YouTubeで聴いている.だから,音楽に触れていないのではない.むしろ毎日記憶の中の音楽を脳内再生しながら歩いているし,常に何らかの音楽を口ずさんでいる.でも,合唱の練習だと勇んで取り組むことがない.本当は今,譜読み,特にリズム読みの宿題があるので,日々取り組むことが推奨される.来年2月に発表会本番を控えており,暗譜で臨まねばならない.目標はかなり遠く感じる.
本当にできるだろうかという自信の無さがある.音を外して迷惑になっていないかという迷いもある.音楽はすっかり好きだけど合唱団を続けて良いものか考えることも増えた.どうやら,公演経験が1回しかないからか,発表に関してとても怯んでいるようだ.3年前の年末の第九が私の唯一の発表機会である.凄まじく良い体験をした.今回はメンバーも減り,少ないパートなので個人の力量が現れる構成だ.
教会で讃美歌をもっと思うように歌いたい,これが合唱団に入った理由である.実はこの目的はもう満足するほど達成できてしまった.目的が失われていることもサボっている理由かもしれない.ならば新たな目標を立てよう.それは,さまざまな歌曲を楽しみたい,で良いと思う.楽譜もたくさんあるし,YouTubeの音源も多い.好きな作曲家や歌手から始めて広げていきたい.造詣が少し深まったのだと思う.
