人間って何だろう.性の次元で考えると単純すぎて悲しくなるけど,他の種にはない性質を考えれば,人間が神と似たものとして造られた目的を理解できる.その性質とは,ものをつくることだ.物から物を生み出せるから,人間は人間らしくあれる.こう考えてみる.物とは区切られた物だ.区切るために言葉を用いる.つまり,人間は言葉を用いて,物から物を生み出す.だから,言葉がとても大事だ.
言葉は情報になる.物を言葉で表すために,論理がいる.物は空間に論理的に存在しているからだ.言葉だけでも作れる.情報や知識である.言葉の性質を追究すれば言語学になる.論理法則を研究すれば数学にもなる.言葉だけで作れば文学になる.物から物を作るとき,物を作るための物,すなわち道具が生まれる.言葉を作るための道具もある.文房具や計算機である.人間とは,物や言葉をつくる存在だ.
つくるだけでは,いけないのかもしれない.作られた物は古くなり捨てられる.処分である.神さまは造った後,つまり処分まで考えた上で万物を創り出した.人間はまだそこまで考えられていない.物は地球を変化させているし,言葉は人間を傷つけている.かといって何も生み出さなければ良いと考えることはできない.人間は物も言葉も必要だからだ.なぜつくるかといえば,必要だからだ.
神さまも,万物を創ったのは,それらが必要だからだ.どんな物も神さまは必要としている.であれば,その必要に応えたい.必要とする物を作り,必要とする言葉を発したい.必要が満たされること,それが幸福である.神さまが必要とされることを満たすこと,人間が必要とする物事を満たすこと,これを繰り返すことが,神さまが人間を創った目的であろう.神さまの目的を果たすために生きたい.
