経験が積み重なると余裕が出てくる.今まで困難だったことがすっとできるようになり,気持ちに余白が生まれる.そうなれば新たなことに挑戦できる.空いた気持ちで新たに取り組めるようになる.これこそ何かに取り組むことの醍醐味,経験の価値である.私たちはこの経験の積み重ねに価値を置く.年齢を重ねるほど経験が宝になる,とはこのことだ.余裕を持てることが,取り組み励む価値なのだ.
これは私が若かった頃,あまり物を知らなかった頃にはわからなかったことだ.知識を積み上げることはしていたが,行動が伴っていなかった.いざひとり立ちすると,何もかもひとりで行うので,それは気持ちの良い時間だった.そんな中で,やりたいことができないもどかしさも常に抱えていた.それから結婚し,時短家電を買い,フルタイムで働き始めてようやく,人生に対し効力感覚を持つようになった.
初めは洗濯を干していたが,洗濯乾燥機がやってくれる.水拭きまでしていたが,掃除ロボが簡単にやってくれる.次第に空いた時間でプログラミングの勉強を始め,アルバイトからフルタイムの職を得て,収入が倍以上になった上,やりたかったこと得意なことを職にでき,楽に稼げるようになった.そして趣味の数学や読書が進み,それに加えて合唱も始めた.これらの過程は余裕ができたことの表れである.
健康と栄養の知識や,お金の知識,ミニマリズムの知見をYouTubeで得たことも,200時間くらいかけて習得した経験のうち.スーパーで買う品は,今は全て科学的根拠のあるものばかりだ.無駄遣いもなくなり,部屋の片付けも進め,無駄なものがない状態になった.今は最高に快適な暮らしであり,これらの経験の上にさらに余裕が出てきた.やりたいことはまだいくつかある.これから進めていけるのだろう.
