教育の重要性を再認識した.義務教育なら,学校の授業より自分で予習復習する方が大切だから,勉強は自分でするもの,教育を受けるのは義務だと思いがちだ.実際に自分の努力の方が大事になってくる.でも,高校かそれ以上の教育となると,全ての人に平等に与えられる教育ではなくなり,個性が出てきて,教育費も高額になってくる.そんな高等教育については,それを受けられることは大きな利点になる.
私の経験では,まず大学が良かった.研究機関が集まった街の中心的存在で,今になってみれば,日曜数学の活動も,英語の科学雑誌の購読も,プログラミングの仕事も部録執筆も含め,今の生活を構成する文化や趣味の何もかもが,この大学時代に培われたものだ.その大きな部分を教育と呼ぶなら,私はこの大学で教育を受けられたことで人生がつくられたと言っていい.入学までの努力が報われた格好になる.
また,美術予備校も良かった.予備校は実家が太い人が入ることは今でも変わらないが,私は年間18万円のコースに通っていた.それほど高額ではない.高校も公立だし,浪人時代の予備校は無料だった.大学院は私立だが,授業料は国立大学と変わらなかった.従って私は年間何百万円もかかる学校に通った経験はないが,それでも大学院や美術予備校に通った経験が,学習の広さや深さ,或いは個性を形成した.
私の今の仕事も趣味も教育によって成り立っていることを,今まで私は気づいておらず,教育を軽視していた面があった.恥じなければならない.今まで多くの先生に教わってきたから,今があるので,これから私が教会で教育に携わる機会があるときに,どんな先生であろうか,どんなことをどんなふうに教えようか,考える材料は豊かに持っているように思う.これも教育を受けてきた結果.どこまでも役立つのだ.
