自分の人生は,望ましい方向へ変えるよりも,元々考えていた人生を進む方が考えやすいことがある.そのほうが望みが叶って満足できるだろうから.若い頃に考えていたことや情熱を持っていたことを,経験を積んだ後に再びやってみようとする,これができると美談にもなる.人生の満足をもたらす思想を,既に育ちが育んでいたので,それを振り返って明確にしたら,自分らしい人生に戻れるかもしれない.
1.お金はあまり持ちたくない
小学生の頃からお年玉を貯金してきた.使い道を考えることをしなかった.欲しい物はなく,文字を写して集めることが好きな少年だった.高校生になって服を買うようになったが,アルバイトはせず,本を読むようになった.当時からブランド物には興味がないが,買い方は今もそう変わっていない.今も稼いだお金で買っているのは服と本くらいで,他の趣味がない.でもそれで充分満足する.
2.目立ちたくない,有名になりたくない
自分が能力が高いと勘違いしたのは,大学に入ってしばらくした時だった.受験勉強を少しもしなかったのに,1年生の1学期全てAだった.これに絶望して自殺を図ってしまった.自分の能力を喜んだり誇らしく思えたことがない.自分の才能を活かして活躍しようという考えが持てない.目立たずひっそりと自分の愉しめることを追いかけて隠れて生きる.それが若い時に抱いた理想の人生だ.
3.達成はうれしいことではない
漢検1級に合格した中2の時,少しもうれしくなく,責任感を募らせるばかりで,この喜びは将来のいつかにわかる時が来るのかもしれない,と思っていたが,その時は来なかった.県立で最難関の高校を497/500点で合格した時も喜べず,結局2年で中退してしまった.国立大学に合格した時も,落ちた人が人生を諦めたことを申し訳なく思い一晩泣いた.達成してうれしかったことは一度もない.
4.努力は当たり前,ただし自分の満足のため
努力する課題は常にあった.今もそうだ.打ち込むことが生きることだと小学校高学年で理解していた.でも,その目的がお金儲けや出世や名誉栄光のためではない.自己満足のためだ.今も変わっていない.自分が満足するためだから努力できるし,満足を最大化できる.この論理を早く身につけたので,仕事は自分の満足のためにしか行っていない.ある意味最も効率的な人生の楽しみ方だ.
5.自分で考え出したことこそ最も面白い
小学生の時,自分の考えたことで級友を楽しませることが多かった.多くの人を楽しませたわけではないが,少しの人を長く楽しませることができた.つまり自分で考え出したことで人を楽しませることが快かった.徐々に,楽しませたい人にこだわらなくなっていた.自分で考え出せば,自分が最も楽しめる.人のアイデアを学ぶことも確かに楽しいが,自分で考え出した楽しさは,裏切らない.
6.かっこいいは大抵つまらない
かっこよさに関心がない.球技は苦手だった.高校生の時,美術の門を叩いた.でも,かっこいい空間をつくろうとはしなかった.世の中のかっこよさに関心が持てなかった.自分が良いと思った物は,自分と少しの人が良いと思ってくれればそれでよく,多くの人には認められたくなかった.世の中の流行はつまらない,これは私の常識だ.こだわりがない人が乗る,それが流行の本質だと思う.
