今37歳だ.もうすぐ40歳になる.その割に私はまだ大人っぽくない.身体面でいえば健康に気をつけていることもあってか,白髪はなく,腰も曲がっていない.痛い部位もなく,ストレスに負けてもいない.肉体的にも精神的にも健康ではある.しかし,社会人として,また大人として,経験に乏しい面は否めない.書斎に籠って数学や物理学の本を読み,プログラミングでいろいろ試してきたに過ぎないから.
理数的な経験は豊富だと思う.これは私の動かせない人生の根幹なので,これからもこれを習慣にして続けていきたいと考えている.幸福の源泉だからである.しかし,こんなことばかりしていては,大人として一般社会の情報に乏しくなり,確実にコースを外れていくだろう.そんな人生を歩む覚悟は若い頃にすでに済んでいるので,このまま歩むことに躊躇なんか少しもない.問題は,それだけで良いかということ.
人生でやりたいことは,世界の数理的読解である.これはもう20年以上の情熱を持ち続けているテーマなので,今後もそう変わることはない.たとえ今後数十年間をそれに費やしたとしても,人生の後悔にはならない.だから,これを主幹に据えて,その傍目として,社会にいわゆる適応できるだけの知見や愛嬌のようなものを身につけておきたい.ただし,別に強い魅力がなくても構わない.少しで良い.
どんな40代を送れるか,この態度で決まってくるように思う.今の状態は必ず変化する.その時,以上の価値観で時間や行動を判断すると,私はどのような人として認知されるか.これを重要とは見ないが,軽視して良いかといえばそうでもない.仕事での成功はほどほど,趣味の活動も楽しめれば良い.そして人生の根幹である数理の研究を続ける.私は40代をこの生き方で進む.傍事は後からついてくるだろう.
