本は,どんな本でも好きな時に読めばいいもので,いつまでに何冊読むと決めて自分に課すようなものではない.面白そう本があれば買ってみて読むだけ,保存しておきたいと思えば本棚に並べるだけ.自分にとっての座右の書が10冊もあれば充分幸せだと思うし,印象的な言葉を百も知っていれば知識豊富な人間である.今月の好きなものでは,最近読んでみて好きな本を紹介する.読み切っていない本ばかりだ.
1.より少ない生き方
ミニマリズムの源流の本.著者は牧師で,全てを売って宝を得たという聖句を引用し,ミニマルな暮らしで幸福を得る考え方として提唱している.21世紀の経済的困難を生き抜く代表的な哲学になる気がしている.私もより少ない生き方を実践したいが,服も本も多く持ってしまうし買ってしまう.でも,それ以外のものは持たないし,昨年はできる限り整理もした.より少ない暮らしを実践し,幸福を感じている.
2.LIFE SPAN
老化を病気と捉え,治療できると考えた最初の本.古本で買った.まだあまり読んでいないけど,老化の不思議を総合的に理解できる内容だと思う.本棚にFACTFULNESSやThinkClearlyと並べて置いている.世界でベストセラーになった本を何冊か取り入れて読んでみたいというアイデアが昨年からあって,洋書で買った本もあった.世界で今何が話題なのか知ってみるのも悪くない習慣だと思っている.
3.数学書
年始に実家から持ち出した本も,整理を終えた.自炊する本もあれば古本で売った本もあり,押入の棚に並べた本もある.そのうち大学教養程度の数学書が10冊と少しあり,これらを頭に入れて読み捨てようと時間をかけて挑んでいる.今のところ読み捨てた本はまだなく,2冊を半分ずつ終えたくらいのペースだ.応用を考えて内容を深めるのがすごく楽しくて,数学を楽しむ中年として胸を張っていきたい.
4.光文社古典新訳文庫
このレーベルで古典文学を揃えたのは2年前.読めたのは5冊程度に過ぎない.しかし,得たところは大きく,並んだ背表紙がいかにも頼もしい.これだけの著者にいつでもアクセスできるとの思いが人生の支えになっているし,贅沢でもある.文学を読む人は世には少ないが,物事を判断する時に最も役立つのは文学だ,と経験的に思うので,今後も人生の糧にするため時間を作って読んでいきたい.
5.聖書
どんな本を読んでいても,聖書には敵わない.内容の最後が聖書の一句に尽きる本がどれほど多くあるか.聖書を読めば万巻の書を読んだに等しい.聖書から得た疑問は神と人との本質的疑問である.この本質的本の内容に触れられる日曜礼拝は,この10年間ずっと欠かせない.どんな本を読んでも聖書に敵わない.聖書から外れた本は大体嘘か幻だとさえ思う.聖書だけ読んでいても人生を誤ることはないだろう.
