黄金週間の中日,初鰹を求めに近所のスーパーへ歩いた.午前中ずっとミニマリストによる片付け動画を見ていて,すっきり物がない部屋って気持ちよく素敵だと思い,そのまま家の裏道を通って一戸建ての外観を見て歩いた.私の街区の特徴かもしれないけど,家の外が綺麗で物が少ない家が多い.物が少ないということは買う物も少ないので資産が多いことを意味する.あるいは家のローン残債で物を買えないのかもしれない.
この散歩で1年ぶりに着た白いシャツと黒縁のメガネ.着なかったアイテムを着るのは得した気分になる.ミニマリスト界隈では1年着なかったら捨てましょうと言われるので,捨てずに保管しておいただけで買わずに使えて得したかのよう.私の部屋は物が少なくないが,多すぎない程度に整理している.整理することは好きで,時々自主的に実践している.自分が大事だと思う物は,持っていたほうがやはり幸せを感じやすい.
一戸建ての外観を見て,窓から見えた部屋に物がなくすっきりしている邸宅もあった.植物が綺麗に整えられていて,手入れが行き届いている家は愛情に溢れる家庭だと感じられた.犬の散歩に出掛けていた夫婦はお揃いのシンプルな身なりをしていて結束が固い家族なんだと思った.翻っていずれもわが家にはない要素だ.私の知らない家族の在り方がある.知らないほど素敵なストーリーもある.見聞きしたいと思ってしまう.
動画やウェブになっている紹介コンテンツは,世界の中のほんの一部だ.それを全てだと思ってはならない.おそらく,部屋が散らかっている家は多数派ではなく,全体の1割くらいである気がする.幸せな家庭が全体の半分を超えていると願う.初鰹は思ったほど安くなく買わずに帰ってきた.しかし,昼の陽気に幸せな地域の人たちの声を聞きながら歩けたのは気持ちよく,自分を中心に置かずに,ほどほどに生きようと思った.
