昨日注文した本が届いて,カバーを鑑賞し,一節をぱらぱら読み,素敵最高と言って本棚の肥やしにした.流石にこれは気が狂っていると思い,本の定価2千円が無駄にならないよう,本棚を減らすことを決断した.凡そ200冊の本を自炊代行に送ってPDF化することにし,空いた空間は気を休めて黙想するために,椅子の向きを自由に変えて座ることに使う.自炊する本の8割は今年読み捨てようとしていた数理科学の専門書だ.
今後の人生で数理科学が重要だとはとても思えなかった.興味関心は今も続くし,その強さもかなりのものなのだが,動画にする以外お金にする手段にはならないし,今後も楽しむためにはかなりの勉強時間が必要だ.さらに,趣味が多すぎることも悩みだった.声楽に文学に数学とは,多く望みすぎでは.やることのミニマライズが必要だと思っていた.そこで,今の状態で満足できることを選んだところ,それは数理科学だった.
数理科学の本をPDFにしても,Mendeleyに登録し,論文と同等に扱える.数理科学をやめる必要はない.ただ,いざ本と本棚を減らしてみて思ったのは,眼に入ってくる文字数が多すぎていたということだ.いつも背表紙の文字を眺めていつか読もうと自分に圧をかけて過ごしていた.今その圧力源が消え,すごく気が軽くなった.いずれ何か始めようという気も湧いてくるだろう.身軽になれば始められることがわかる.
数理科学の研究をやめようとまでは考えていない.最新論文を動画か部録で紹介したいという考えはある.今回の自炊によって,本が失われるのではなくPDFになるだけだから,ユーティリティが逆に高まるかもしれない.問題は,自炊したPDFを未だ読む習慣がないことだ.今まで自炊した本を読んだことがほとんどないのだ.どうにかして読む手段を決めて習慣にしたい.それとも本を買ってお金を無駄にしてきたのだろうか.
