以前の女上司が,新天地で人間関係に苦労しているらしい.そう新しい上司から話を聞いた.仕事ができない認定を受けているらしく,組織の普遍的ミッションのために働いているという口実の鍍金が剥がれ,自分の思い通りに進まないと不平を言うような態度で働いているらしい.私に言わせればようやく彼女の本質が露呈してきたなといった感じだ.彼女は自分の考え通りに周りを従えて事を収めてきたタイプの人間である.
彼女はアイデアが豊富な人間だとは思う.考えることを器用にも文章にできる能力がある.しかし,文章であるだけで,プログラミングは1文字も書けないし,デザインといっても自分でソフトを使えないので,細部まで指示してダメ出しをとにかく細かく出すので,制作側からすれば迷惑な人物だった.業者発注の際にも,仕様書に書かれていない細部についてこだわり通し,納期が平気で遅れる事態が常態化していた.
彼女には自分で作る能力が必要だった.それがアイデアマンとしての彼女の能力を証明する唯一の方法だと思う.しかし,彼女は制作技術を学ぼうとする時間も気持ちもない.アイデアを実現する方向に先走り,前のめりで実現を焦り,タスクをバッファなく詰め込み,忙しくしてストレスで自分の首を絞めている.周りからすれば何を愚かな働き方かと誰もが思っているし,静かに彼女の評価を低く下げて生温かく見ている.
彼女からは多くを学んだ.反面教師とさせてもらった.働き方を考え変えていくる上で大いに役立った.組織の中でアイデアを実現するプロセスを学べた.私は彼女のようにはチームを率いることはできないが,彼女と違った形でプロジェクトを進めることができるようになってきた.これも彼女の失敗から学ばせてもらった結果だ.彼女にはいいところもあるが,仕事の進め方が最近特に破綻しており,周囲は教訓を得ている.
