趣味にお金をかけない.これは今後の余生にとって重要な習慣だ.例えば,買い物が趣味だとお金がいくらあっても残らず,手元に不要な物が積み上がり,好きな物を取っ替え引っ替え更新しているうち,大事なことがわからなくなってしまうだろう.自分で工夫して編み出した趣味である,楽しいと感じる人は楽しめる,経験を必要とするかもしれない趣味である.以下に挙げるが,そんなの楽しくないという人もいると思う.
1.字を写す
好きな文を紙や電子にそのまま写す.これが意外に楽しい.ノートに抜き書きしている著名人は多い.私は文字自体を好きな組み合わせで並べられるところに楽しさを見出しているので,好きな文でなくても,ためになった覚えておきたい文でなくても,文字を並べられるならなんでもいい.この部録も自分で文字の組み合わせをいくらでも作り出せるので同類の趣味だ.自分で独創の文字を作ったこともある.
2.聞き書き
聞き取れたことを文字にする.動画やラジオやオーディオブックなど,音声ならなんでもいい.1回聴き書けるところは書く.もう何度か聴いて,さらに書き埋める.最後まで納得するまで聞き書けたら,もう1度最初から聴いて答え合わせする.これのどこが楽しいのかと思うかもしれないが,見えない音声が見える文字になる,その変換を自分が行っているところが楽しい.わからない人も多いのかもしれない.
3.名言作り
記憶にファイリングする言葉が,どこかの本で読んだことや誰かが言ったこと書いたことでなく,自分で考え捻り出した名言だったらいいと思う.10代の頃からそう考えていた.毎日Twitterやtumblrに投稿し,哲学的なことを投稿している.記憶し会話のレパートリーになった言葉はもう100以上になった.おかげで独創的だという人物評をいただくようになり,自分で生み出したことから人生の満足度が高まった.
4.街探検
私の街の楽しみ方は,風景写真や散歩動画にとどまらない.よくやるのは建築図面おこしだ.1度訪れた建物を隅々まで歩き尽くし,帰宅後に方眼紙に図面に起こす.余裕があれば周辺の道路も描き込む.感覚で長さを測る訓練になるし,空間記憶を鍛えることにもなる.今度,近所の港町全体の地図を書き起こしてみたい.季節で配置や商品がよく替わる同じショッピングモールを,季節ごとに記録することもやってみたい.
5.旋律解釈
歌詞のない曲,主にクラシック音楽を聴いて,思いつくままに歌詞をつける,詩作に通ずる趣味だ.それを伸ばして,旋律を言葉で解説するのがこの旋律解釈の趣味だ.このフレーズはなになにの感覚を表しており,全体の中でこの位置に置かれている効果はこれこれで,パートや楽器や速度に指定したのはそれそれの理由がある.そんな批評的解説を書いていく趣味でもある.作品間,作曲家間,時代間で比較するのも楽しい.
6.科学の理解
難しい数学の概念をいつか理解したいとずっと思っている.対称性,解析接続,余剰次元,ゼータ関数など挙げれば限がない.自分でも数式を見出したいと思い,今まで20年近く研究してきて,いくつかの成果が出ている.これに関しては充実感が今爆発しており,人生いつ死んでも悔いなしなのは,この成果のゆえである.科学を半分は理解できたと思っている.大きな認識の変化はもうあまりない気がする面はある.
