今年の収支は,今のところ,30万円の赤字だ.昨年まで株価の上下を除いて黒字生活を続けてきたので,これだけお金を出して生活した年は初めてだ.今も買おうと思えた物がいくつかあり,買うためにお金を貯めてタイミングを窺っているのだが,買いたい物がある状態が私の人生でおそらく初めてで,今までは買いたい物がなく困っていたと何度もこの部録に書いてきた.その問題が,高価な物を買ったことで解決に向かっている.
一点豪華主義で革鞄や椅子や照明を買ってみて,もうそれ以上の物を欲しない心理を経験した.この買った物をこれから何十年と大事に使い続けようとわざわざ思わなくても,自然と今後ずっと使うと思える.それが非常にストレスがなく,買いたいという気持ちが整理され,これが本当の満足かと思える感覚で暮らせている.多くの人に支持されている良い物はやはり良く,使っていて何のストレスもない.歴史が証明している.
買いたい物は,いつ買ってもいい物ばかりだ.1年後でも構わない.つまり,ストレス解消のための買い物をしなくて済んでいる.買うための買い物に集中できるようになった.物を買うためにお金を計画できるようにもなってきた.また,お金を使うために稼ぐようになったことで,仕事に思考が及ぶようにもなってきた.本気で人生に向かおうという気になってきたし,夜は仕事をすっかり忘れて休めるようにもなった.成長である.
大人になったからには,物を買うことが,社会人として経験すべきことになる.それが37歳の今というのはちょうどいい時期だと思う.今年30万円の赤字なのだが,そんなものは1年もあれば悠に貯まる額だ.今はそんな額を気にしないで,心の成長を喜ぶべきだろう.買い物が身近になり,買いたい物のために働いて,支出を計画する.そんな一見普通のことを,私は考えたこともなかった.人生が考えやすくなる経験になるだろう.
