今この国にはよく考えられ洗練された物で溢れているので,デザインや技術に価値を置いてものを見てきたが,最近はそうでもない.神の正しさに教えられたいとの思いが募っている.そこには何か神の言葉によって世界がくっきり切り分けられ,真実が見分けられるとの期待がある.つまり,私の今の認識では確実な真理など稀で数えるほどしかなく,それだけではもの足りないと感じている.生活の中に区切りを求めている.
クルアーンなど,イスラム教の本を読み始め,キリスト教の内容がより理解できるようになってきた.信仰の本質はクルアーンも聖書もそう変わらないと私は思っていて,神と人と人々との関係は,むしろキリスト教よりイスラム教の方がわかりやすく,それゆえイスラム教の方が優れている面があるように思う.聖書をわかりやすく解釈したのがクルアーンだと位置付けたくなっている.それほど,イスラム教はわかりやすい.
宗教を学んでくると,今の日本の思想や信仰が少しずつ見えてくる気がしている.お金や権力や富など,人間が作った尺度をもとに計算高く行く生き方もあると思うし,得られなくても人として大事にしたい価値を保って幸せに暮らす人もいる.いずれも宗教がない生き方だが,それはそれでいいとするなら,この国には世界的にも時代的にも新しく珍しい思想ないし宗教が興っている気がして,それを書き留めておきたいと思うのだ.
この国は経済や教育や治安や衛生の面で際立った特徴がある.世界中を見ても個性のある尖った国だ.なので,これを変えなくていいと思う.むしろ,この個性を掬い出し,言語化して掴み,世界に紹介を投げかけることは価値のある行動だと思う.日本の特殊性を私は掴みたい.今は空気や水のように考えなしに当たり前のこととして生きているけど,それを改めて見つけて驚けるような姿勢になりたい.国外に行くべきなのだろう.
