音楽から,少しずつ遠くなっている.疎遠というほどではない.やはり気がつくとピアノ曲を聴いている.それくらい身近になったし,楽譜も鍵盤も書斎に充分あり,歌も初めての人から上手と言われるくらいになった.音楽は身近だ.でも,次の関心へ移ってきている自分がいる.それは現実への関心だと言える.政治,地方旅行,信仰の現実.生活や収入や職場が安定し,それを基盤に据えられる余裕から生まれた関心である.
教会で牧師と老信徒が政治談義をしていて,聴いているうち,私自身が公務に就いていることの役割や特質について考えるようになった.同時に,この日本の政情や政策を有権者の1人として調べるようになり,政府の白書を読むようになり,政党への入党まで検討するまでになった.この政治への関心は本物であり,どこまで達する関心なのかは今は不明だ.でも,宗教や社会問題や戦争と平和について考えたかった過去は確かにある.
政党への入党は今支部に問い合わせ中で,本当に実現するかはまだわからない.公共の福祉について考えることや,役人の倫理について弁える目標は,今年深めたいことだ.また,先日沖縄へ行ってきたし,来月も山陰に旅行することにした.旅費が嵩んでちょっと怯んでいるが,そうしばしば行ける場所ではないからそれだけ見てきたいし,都市での暮らしを反省し相対化することが大事だと思う.職場の辺鄙さも併せて考え含めたい.
見識を広めたいとの長年の思いが叶う1年になるということだ.その手段が,生活や音楽から,政治や旅行に移ったということだ.また,読む物も,理系の学術書から文学や歴史に変わったということだ.生活が変わる.あるいは生活を私はしばしば変えてきている.私がよく評価される柔軟さは,私の本質に近い変化欲求からくると思う.良くも悪くも,私を変化させて私は生きていきたい.いずれ満足して固定した暮らしになるだろう.
