今まで仕事は簡単だと思っていたが,そうではないと分かってきた.新しい仕事がはじまると自分なりに勉強して準備し,仕事で大きな失敗が起きないよう,尽くすように働いてきた.本もそれなりに多く買い,時間が空けば媒体を問わず読んできた.現在の職場でも,開発するときにウェブ検索して進めてきたので,検索の技術がついてくると仕事を遂げることは簡単だった.お金をもらうことに,正直あまり大変さを感じないできた.
現在の職場では管理職の方々が優れているおかげか,一般社員の仕事は軽作業くらいのボリュームで,簡単にこなせるタスクまで切り分けられて回ってくることが多かった.技術が付きにくいのではないかと憂慮していたほどである.しかし,最近事情が変わってきたようだ.社員が減少し,新規入社が少なく,人手不足の状況.それで今まで以上の業務量を与えられるため,簡単だと思う暇はなくなった.
今日は他部署の応援に回り,案件をワンステップ終えるまで進めた.開発の仕事では,設計の行き届いていない部分が見つかり,設計内容の確定にレビュワーが必要なため明日に持ち越し.それからプログラム部分でも落ち着いてゆっくり考えなければ作れないような仕組みを考えざるを得なくなっている.管理職の考えていることを耳にする機会もあり,技術といってもコーディングや設計だけではないと思った.
技術は幅広く,何を言ってどう動くかも含めて,自分の所作挙動を整えるにはまだまだ経験がほんとうに浅い.神さまの言葉を毎日読む理由がようやく分かってきた.妻が松下幸之助の「道をひらく」を贈ってくれ,通勤時間に数頁を読むのだが,素直であり続けることが実は難しく,しかしながら知恵の基礎として重要な姿勢であることなど,自分では当たり前だと思ってきたことが多く書かれており,当たり前のことも難しくなるような人生の清濁を想像した晩秋である.
