新しく取り入れる技術者が多いのに,参考とする情報が少ない技術がある.Node.jsやLaravelやAngularがそれだ.それぞれ登場してから数年が経っているのだが,書籍はほとんど出版されておらず,いったいどうやって勉強して開発を進めているか,経験の浅い自分には謎なのである.需要がある技術なだけに,重要な謎である.
いずれも英語の公式ドキュメントは公開されている.おそらく技術者たちはこの英語ドキュメントを見て,少しずつ,積年の勘と嗅覚で身につけているに違いない.そうとしか思えない.その勘と嗅覚で作ってしまえるのだろうからそうありたいものである.日本語に訳されたドキュメントが存在する技術は広まりやすいので,和訳しがいのある仕事になるだろう.
しばしば,英語のできるソフトウェアエンジニアは少ないと聞く.現代は少数のなんでもできる技術者たちによって他の9割以上の人々がその恩恵に浴している,そういう構造で成立しているこの社会である.ApacheやLinuxやFuelPHPの和訳済ドキュメントは大学教員や熟練技術者を通して生まれ,Qiitaにまとめられ,多くの新参者の役に立ってきた.
英語だから流通しにくい構造があるとすると,日本語の書籍が出なくても,和訳ドキュメントが転がっていればありがたく拾っていく利用者は多いだろう.ScalaやGoやECMAScriptなど,海外での活況ぶりが逐一見られるウェブの時代だからこそ,目の前にある宝の文を馴染みの言語で読みたいという要請を満たしてあげたい,そういう仕事もありだと思っている.
