今まで漠然と「趣味です」と公言していたウェブや数学やプログラミングなどが,本当の意味で趣味になろうとしている.仕事で相乗効果を期待していたところがあり,技術の向上を標榜して恥じなかったが,今の職場ではそれほどの技術が要求されず拍子抜けした部分もあり,これから何のためにウェブや数学やプログラミングに時間をかけて行うか,考えておきたくなっていた.
企業の技術者なら,将来にわたって技術を磨くことは仕事の受注機会を増やし,独立の方法を拓くかもしれず,可能性が広がるばかりである.今後も続くとみなせるウェブ業界を牽引するような発明を,電車やバスで日々閃いていたはずだ.それは環境が異なれば失われてしまうとは限らない.でも,もし動機づけが大きく変わってしまったら,どうなるのか.
私の部屋の書斎には,技術書を机いっぱいに並べている.すぐに取り出して読めるように置いてある.これらをすべて吸収し,強い頭を作る,などという学生らしい考えは持てなくなったが,必要になったらすぐに実装できるくらいには日ごろから高めておきたい動機はある.なかなか本から学びとることは難しい行いであり,本は増えている.
目的のない努力を趣味と呼ぶことにすれば,今は趣味を脇へ措いておき,趣味と分け隔てのない,仕事のための技術を向上させるために貴重な時間を使う.もう多くに手を広げる年齢ではなくなり,でも多くを理解できる年齢に差し掛かり,若いときとは異なった見方で多くを吸収できる気がする.趣味と仕事をシームレスに考えても,問題はなさそうだ.
